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焚き火で木が燃えるということはどういうことか

木が燃える時にどういうことが起きているのか?

木を燃やすと高い温度と煙を出して炎が出てきます。

当たり前にやっていますが、それってつまりどういうこと?何が起きているの?ということを調べてみたいと思います。

木材は火炎にさらされても直ちに着火、燃焼することはありません。図のように、まず100℃までに水分が蒸発します。その後150℃くらいで材表面が褐色に変色してきます。ここまでは木材の高温乾燥と同じですね。
200℃くらいで木材の成分が熱分解されガスがでます。ガスは二酸化炭素と水蒸気の不燃性のものと、一酸化炭素、メタン、エタン、水素、アルデヒド、ケトン類、有機酸などの可燃性のガスが発生します。このとき、材表面は炭化状態になります。
250℃をこえると、熱分解が急速に進み可燃性ガスが増大して引火し、煙が発生します。
300℃に達すると割れを生じ、可燃性ガスが噴出し、材内部が炭化し始めます。(中略)500℃くらいで煙のでない赤熱燃焼し、炭が消失します。

兵庫県立丹波年輪の里ホームページ 木材の基礎知識 「木の燃焼」

温度があがることで木から可燃ガスが出てくる、そのガスが燃えているということなんですね。

ちなみに焚き火自体の温度は1000度を超すと言われています。

 

焚き火をする時に火口→細い枝→細い薪というように少しずつ太くしていく理由は、急には太い薪が燃えるほど温度が上がらないからなんですね。ちょっとずつ温度をあげて行くことで可燃ガスが出るようにしていくというのが焚き火の着火でやっていたことだったのです。

物が燃える(燃焼)とは、可燃性の物質が空気中で多量の熱と光の発生を伴う急激な酸素との結合反応(酸化反応)を起こすこと、というこ とができます。ライターで1枚の紙に火をつけると炎を上げて燃えます が、この現象は、紙の主成分であるセルロースが熱分解して一酸化炭素 や水素など可燃性のガスを放出し、それらのガスが空気中の酸素と反応 して二酸化炭素と水を生成する発熱反応である、と説明できます。

https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file5588b1605f439.pdf

そして燃えるということは酸素との反応だ、ということです。

では炭が燃える時はどのようなことになっているんでしょうか?

木炭は、炭素が主成分なので、着火すると表面の炭素が酸素と直接結 合して二酸化炭素が発生し炎を出さずに燃えます。これは、熱分解によ る可燃性の気体を生じないためです。いったん燃え始めると、発熱量が 大きく十分な高温状態となり、木炭には細かな空洞があるために内部ま で空気が入り易く燃焼が継続します。

https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file5588b1605f439.pdf

炭は、ガスが出ずに炭素と酸素が反応するため炎が出ないで熱がでるということです。

煙はなんだ?

セルロースやメタノールのような炭化水素有機物が燃焼する場合、酸 素が十分にあれば完全燃焼をし、燃焼生成物である二酸化炭素と水が発 生します。二酸化炭素は無色ですが、発生した水は水蒸気の状態なので 周囲の温度や湿度により白い煙となります。 一方、酸素の供給量が不十分であると、不完全燃焼となり熱分解物で ある炭素が酸素と結合しないでそのまま放出され黒い煙(煤)となりま す。この時、一酸化炭素なども発生します。 なお、窒素や硫黄を成分中に含む有機物の場合は、燃焼に伴う熱分解 物及び酸素との結合物にこれらの元素が含まれています。

https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file5588b1605f439.pdf

白い煙の正体は水、黒い煙の正体は炭素だったんですね。

ではなぜ目にしみたり臭かったりするんでしょうか?

それは煙の中に、炭素や灰、水蒸気のほかに、すす、木酸、アルコール、アルデヒド、フェノールとよばれる化学物質が含まれているからです。特にアルデヒドとフェノールの2つは刺激が強く、目の粘膜に付着することで目をしみさせたり、痛みを感じさせたりする成分です。

目ディアより

可燃性のガスが全て燃えているわけではなく、そのまま出てきているものもあるのでそれが目にしみたりするということのようです。なるほど。

木特有のニオイが出てくるのは 180~350 ℃ にかけて であり,温度と共にニオイ成分は変化する.木材の主成分 はセルロースであり,すべてのサンプルからセルロースの 熱分解により脱水縮合反応が順次進行しリボグルコサンか らフランそして 2-フルフラール類が出て来る.又,それぞ れの木の種類によって異なるニオイ成分として,松では松 脂に含まれるカンフェンやピマール酸,桧では桧オールに 含まれるピネンやテルピネオールが生成する.松が燃える と松のニオイ,桧が燃えると桧のニオイに代表されるよう に,加熱により発生するニオイを嗅ぐ事によって識別でき る

https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/62/4/62_285/_pdf

さらには木の成分がそれぞれ種類によって違うのでそれらが匂いとして出てくるということのようです。

ちなみに:木を燃やすとダイオキシンは発生するのか?

ダイオキシンは塩素を含むものを低温で燃やした時に発生しやすいそうです。

ケヤキの葉には割と塩素が多いようで、ダイオキシンも発生します。

参考:http://www.jplife.co.jp/recycle/famitec/dioxin/media/media/sei01.html

ただ、ダイオキシンが出るからやめた方がいいかというとそこまでのことでもないようですが、気にする人もいるかもしれませんね。

煙と匂いを抑える燃やし方とは

煙も匂いも、不完全燃焼によって出てくるということがわかりました。

不完全燃焼が起きるのは酸素量が足りないことが原因です。

酸素が足りなくなるのは薪の置き方のせいかもしれませんし、薪の中の水分のせいで温度が上がらないせいかもしれません。

通常の焚き火で煙やにおいで困らないようにするには、

  • 細い薪を使う(酸素が回りやすいように)
  • 空気の通りがいい組み方をする、ロストルを使う
  • 温度を十分にあげる

というあたりができることでしょうか。

熱と酸素を十分に供給できるようにすれば完全にとはいかなくても煙と匂いが抑えられるはずです。

また、二次燃焼を起こすことのできる焚き火台を使うというのも手ですね。

二次燃焼とは、一次燃焼では燃やしきれなかったガスを燃やすことです。

二次燃焼が起きる焚き火台として有名なのはソロストーブです。

ソロストーブ

ソロストーブ公式サイトより引用

外壁と内壁の間に隙間が開いており、下の穴から入ってきた空気が温められて上の穴から出てきます。

熱された空気が燃焼しきれなかった可燃ガスにぶつかることで二次燃焼が起きます。

考えられていますね〜このソロストーブのような二重構造のストーブは割と簡単にDIYできるので作ってみるのも面白いかもしれません。

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