先日、こんなものをヤフオクで落札しました。
元旦朝から格闘初めてます。これをゆくゆくはストーブに pic.twitter.com/GVpBm4l8lr
— CDK (@orekattamono1) 2016年12月31日
鉄製のミルク缶です。
超錆びてます。
このミルク缶を薪ストーブにしてキャンプで使うまでを簡潔に紹介していきます。
作業に夢中で写真を撮る余裕がなかったので文章ですみません。
あと、薪ストーブの記事を書くときの呪文を唱えておきます。
薪ストーブをテント内に入れると最悪命に関わります。自己責任でお願いします。
素材選び
まず、自作薪ストーブを作るのに必要な素材選びから始めました。
溶接とかできれば鉄板とかでいいんでしょうけど、そこまでの技術はないためある程度形になっているものを選ぶことに。
薪ストーブに必要なのは
- 炉
- 扉
- 煙突
ですね。
金属製である程度の大きさがあって扉がついていて・・・
というものを探しまわっていたところ、金属製のミルク缶にあたりました。
こうやって、つかえそうな素材が見つかった瞬間って超嬉しいんですよね。ワクワクが止まらなくなるというか。
錆び落とし
錆落としから取りかかりました。
こんなひどい錆び落とし自体はじめてだったのでどう手をつけていいか分からず。
ためしたのは
・やすり(錆び落とし用の粗いやつとか、金属のブラシとか)
・薬品(クレのラストリムーバーってやつ)
・ディスクグラインダーでの錆削り
でしたが、手でのやすりがけではまったく歯がたたず。
ちなみに今回の自作のためにディスクグラインダーを買いました。
高速回転で、切ったり削ったりが簡単に、しかし危険な奴です。
切る用の刃とカバーがセットになっているものを購入しました。
今回一番効いたのはグラインダーに錆びとり用の刃をつけたものでした。
薬品も効いてました。かけると色がぐんぐん変わっていくんです。
錆で出来たざらつき、凹凸がなくなってきたところで次の工程に。
切ったり穴をあけたり
まずは煙突用の穴をディスクグラインダーで空けていきます。
なかなか切れず苦労しました。グラインダー超うるさいし超火花とぶし超危ないしで一般家庭にはまったくオススメできません。グラインダーを使う際には安全面に超気を付けたほうがいいです。作業用マスクメガネ、革手袋、長袖長ズボン必須。作業部屋が欲しい。
切ったあとがバリバリで危ないので、グラインダーの削り用の刃に取り替えて削ったところ穴が広がりすぎてしまいガバガバに。
基本的に考えが足りないまま進めて失敗して後悔するので、この作業全体を通して“アホだな〜(そうだよアホだよ) アホだな〜(ほんとにそうだよアホだよ)”のあの曲が脳内に流れてました。
炎が煙突内に入るのを少しでもくいとめたかったため、効果があったのかは未だにわかりませんがパイプフードを内部に逆さまに取り付け。(これのせいで排気がうまくいかなくなっているという説もあり・・)
パイプフードの底面がちょうど100mmなので、穴をあけて煙突とネジで接続。
つぎに空気取り込み用の穴あけ。前面下部に穴をあけていきました。
持っていたリョービのDIY用のドリルでは非力で穴あけに苦労することに。
もっとパワーのあるものを買っておけばよかった。
金属加工までするならドリルはパワーのあるものを選ぶのをおススメします。
これで足りているのかどうかは給気と排気のバランスがあるのでまだ調整が必要そうな感じです。
あと、二次燃焼を夢見てステンレスの棒を背面から中に仕込んでみました。
(参考サイト:そろそろソロキャン)
効果は不明でした。苦労したんだけど・・
ちなみに、ステンレスに簡単に穴があくと思っていたのですが大間違いでした。スレンレスに穴空けるのって結構難しい。すぐに表面で滑ってしまいます。専用のドリル刃とか必要そうな感じでした。
塗装
塗装は耐熱のものを。薪ストーブは200〜300度くらいまで熱せられるので(外側)
塗料の耐熱温度を要チェックです。
色の黒いは七難隠す。みすぼらしかった見た目がスマートになりました。
脚
脚は100均の簡易イスの座面部分をとって黒いチェーンに変更。それを2つ並べて使っています。
煙突
横に伸びる部分は市販のものを使用して、
縦の方は煙突はステンレスの板(0.1mm厚のもの)を巻いて使います。とにかく積載量を減らしたいので。
長くなるように巻くと920mmになります。それを2つつなげたいのですが、つなげ方を悩み中。
ステンレス板の場合、バネ値というのが高いものの方がいいようです。(それが低いと巻ぐせがついてしまい巻き直しづらくなるようです)
また、薄いステンの板だと外気温の影響を受けやすいので煙突の上昇気流効果を損ないやすいのではないか、というのが使ってみての感想です。なにか対策が必要そうな感じです。
2つ割にワイヤーをつけて、そこからロープで伸ばしてペグでとめてます。
巻いた煙突と二つ割りの径が合わずおちてきてしまうためペグをはさんで調整しました。
あと、1mほどの杭をホームセンターで買ってきて、それと煙突を針金で固定してます。
煙突トップは火の子が外にでるのをなるべく防ぎたかったためホームセンターで売っていたPトップを使用。ただ、このPトップは薪ストーブにはあまり向いていないとか。
煙突の支えはこんな感じ。
ホームセンターで売っていた支えだけだと脚がぐらぐらしたため、金属板で補強。金属板と支えをネジでとめて、金属板をペグダウン。
この金属板の穴だと丸いペグがギリギリでした。ソリッドステークの小さいサイズのが合ってました。
幕よけ
一番の悩みがこの幕よけでした。
・薪ストーブ背面からの熱はけっこうなものになるっぽい
・煙突の熱もけっこうなものになるっぽい
そのため、それぞれ幕に近いと最悪テントが燃える事に。
(参考サイト:ひのきのキャンプ用品「196」取締役のブログ)
不燃の板がいいよね、と「不燃」という文字が書いている石膏ボードを購入。したところで気づいたのですが石膏ボードの周りは紙で包まれてる!燃えるじゃん!というわけでキャンセルして、家に余っていたOSB板を使う事に。
(石膏ボードは結晶水を含んでいるため燃えにくいそうですが、熱が加わるとボロボロになってしまうそうなので結局こういった用途には不向きみたいです)
背面の熱から幕を守るように板を少し大きく、煙突からの距離をとれるように穴を大きくしました。
ちなみにこの時は25cmくらい背面から離して板を置いていましたが、もっと離した方が良さそうな感じでした。
安全面に対しては気をつけ過ぎた方がいいですよね。
なにかあったときに煙突が板に触れてしまわないように煙突ガードも購入。
幕よけの下はL字の金具を取り付けて、外でペグダウンしています。
見た目もそんなに悪くなくできたのですが、薪ストーブを消した夜中とか、隙間からの熱が寒い寒い。
薪ストーブがついていれば隙間も気にならないのですが。
まだ改良が必要そうです。
自作薪ストーブ使ってみた!
楽しいいいいい!!
この楽しさはやってみないと分からないですね。
むちゃくちゃいいです。
火が安定するまでのやり方を手探りしていたら煙がテント内に充満していたり、フタを完全に閉めてみたら「ボンッ!!!」という音とともに煙が扉から吹き出してきたり(バックドラフトというようです、けっこう危険)、着火用のバーナーの口がまだ熱い時に倒してしまいフロアに穴があいたりと大変でしたがそれもまた楽しく。
電気でもガスでもなく、木が燃えている火のおかげでテント内が暖かいということになんだか幸せを感じたりしました。
上部には五徳をセット。
鍋底ですれて塗装がはがれちゃうのが悩み。
安全面
最初に唱えたように、薪ストーブをテント内に入れるというのはとても危険なことです。
一酸化炭素中毒死の危険があります。
一酸化炭素は目に見えませんので、いつのまにかテント内に充満していて・・ということも十分考えられます。
ということでこれを購入しました。
ドッペルギャンガーの一酸化炭素チェッカーです。
この一酸化炭素チェッカー、アマゾンの他のものよりも数倍高いです。
日本製のセンサーを使っているというのがその理由。(この製品自体の製造は中国です)
ケチな自分としては結構悩んだんですが、他のチェッカーのレビューを見ていると誤作動が結構あるらしく。
危なくないのに警報音で起こされたり、危ないのに鳴らないのでは話にならん!と崖から飛び降りる覚悟で購入しました。
ボタン電池は別売りですので注意が必要です。
見づらいですが、火の近くにやるとちゃんと数字があがりました。
※ドッペルギャンガーさんでは、このようなテント内での薪ストーブを使用した際の危機管理としての利用は想定していません、ということになっています。このチェッカーに頼りきることなく、換気をこまめにしたいですね。
ということで、薪ストーブにゾッコンラブって感じです。
今回は横から煙突を出しましたが、導線上わりと邪魔な感じだったので正面から煙突出すように変更しようかなとおもってます。また続報書きますね。
課題
- 今回煙突を横方向にだしたのですが、それだとちょっと排気が滞る感じもありました。上から出した方がいいんじゃないかと思ったりもしました。
- あとは安定性ですね。脚がくっついていないのでちょっと不安。いまのところ倒れたことはありませんが。
- 耐熱ガラスをつけたいんですよね、炎を見たい。今回のミルク缶は曲面しかないので取り付け方が難しい。
改造するにも手間がすごいのでなかなか腰があがらないのですがいずれやりたいと思っています。
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